どうも、がちゃお(@gachao32)です。
ARグラス、前からずっと気になっていました。
ガジェット好きとして「触ってみたい」「使ってみたい」という思いはもちろんあったのですが、なかなか踏ん切りがつかずにいたんですよね。
ただARグラスがあれば、大きなモニターの代わりになるのでは…?ってずっと考えてきました。
というのも僕の作業スペースはもともと広くはなくて、昔は80×80cmくらいでした。なので、モニターを置かなくても大画面で作業できる環境に、かなり憧れていました。大きなモニターは置かなくても、ARグラスなら…。

悩んでるなら使ってみればいいじゃん、ということで実際にARグラスをレンタルで試すことにしました。今回レンタルしたのは『Xreal One』です。
気になる機能のひとつだったウルトラワイドモードは?物理モニターの代わりはいける?など、実際に使ってみて感じたことをそのまま書いていこうと思います。
実際に使ってみて感じたこと

YouTubeやレビューを眺めているだけではわからない。ということで実際にレンタルして使ってみました。
今回のレンタルは、『SUUTA』というサービスを利用。通常のレンタルだけでなく、自分の製品を貸し出すこともできるちょっと珍しいサービスを展開されています。
SUUTAを選んだ理由は、借りたいタイミングで在庫があったことと、価格がお手頃だったからです。
作業用途で感じたズレ
画面が目の前に浮かんで見える感じは、最初はとても新鮮でした。イメージはしていたつもりでしたが、実際は想像よりも鮮明だし、きれいに映るんだなと感じましたね。
ただ、目的の機能であるウルトラワイドモードについては、少々イメージとは違っていました。
たしかに横広ワイドなモニターが目の前に広がっているんですけど、実際にグラスを通して見える範囲というのは、普通のモニター(設置する前後の位置にもよりますが27インチくらい)1枚分くらいの感覚なんですよね。
しっかりと端の方まで見ようと思うと、目線だけでなく顔ごと動かす必要があって、広い画面に映し出されてるんだけど、使いやすいかと言われるとちょっと違うかな、という印象を受けました。
これが物理モニターの場合、画面の端に映っているものも、はっきりと確認できるわけではありませんが、視野の中には自然と入ってきます。このうっすらでも見えるのか見えないのか、というのが結構感覚的に違うなと感じました。
エンタメ用途ではかなりよかった
ARグラスの使い方の王道といえば、先程の作業で使うというよりも、映画や動画などのエンタメ消費ですよね。
このエンタメ用途での使用では、ほとんど不満はなく「これはいいわ」と感じました。
特に良かったのは、画面をもたなくてもいいところ。正面を向いていなくてもいいし、寝転がったままでも映像が見えます。モニターやスマホだと、どうしても姿勢を意識したり、画面の位置を気にしなければいけませんよね。ですがARグラスを使えば、どんな姿勢であろうとどんな場所であろうと、画面は常に目の前にあるんです。

おかげで「ながら観」をすることができ、この忙しい現代社会において、これほど時間を有効に使えるデバイスはないなと感動しました。
メイン作業には向かなかった

まずは前提として、僕のメインとなる作業はブログの執筆になります。
- 文字を打つ
- 調べ物をする
- 画像を扱う
- 予定の管理をする
主にテキストベースの作業に、今回レンタルしたXreal Oneを使用してきましたが、感想でもお伝えした”ズレ”についてもう少し深ぼっていこうと思います。
ウルトラワイドなのに「一望できない」という違和感
作業用途で一番ひっかかったのは、やはり視野の問題。
ウルトラワイドモードにすると、確かに表示される画面は横に広がります。しっかりと見渡せば、なかなか手にすることのできない超ワイドな画面です。
ですが実際に視野の中に収まっている範囲は、体感で27インチくらいのモニター1枚分くらいです。端の方を見るには、目線だけでなく、顔ごと向けないと確認することはできません。
ウルトラワイドモニターとして表示はされているはずなんだけど、それ以外のところに関してはブラックアウトしてしまい、視界としてはほとんど認識できません。結果的に、「そこに画面がある」という感覚が持てなかったんですよね。
実際の作業で照らし合わせてみると、普段は記事の下書きを書いているNotionと、調べ物をするためのSafari、壁打ちするためにChatGPTと、3つのアプリを同時に開いて作業をしています。
現在使用しているモニターがCRUAの34インチウルトラワイドモニターなので、3つのアプリを3分割にして表示しています。WQHDの解像度なので34インチといえど、3分割してしまうと1ウインドに表示される情報量は少なくはなってしまいますが、それでも必要十分な環境かなと思っています。

正面を向いているだけで端の方の隅々まで情報を追えるかというとそうではありませんが、どのウインドウに何が表示されていて、どんなことが書いてあるということは周辺視野で確認できます。この辺りがARグラスでのウルトラワイドモードとの違いかなと思いますし、違和感の原因になっているなと感じました。

この点に関しては、ARグラスが「メガネ型のモニター」である以上、仕方ない部分かなと思います。視界全体を覆って没入するような体験を求めるなら、用途としてはARグラスより、むしろVRゴーグルなのかもしれません。
余談を挟みましたが、このARグラスの見え方において重要な指標となるのが「視野角」です。YouTubeやブログでのレビューを見ていても、視野角の重要性を語っている人が多く、実際に使ってみても納得しました。視野角はマジで大事。
今回レンタルしたXreal Oneの視野角は50°で、ARグラスの中では広い部類に入ります。それでもなおこの感覚だったので、視野角の差はかなり体験に影響する部分だと感じました。
視野のズレが、そのまま作業のしにくさになる
ウルトラワイドなのに一望できない、という感覚は、そのまま作業のしにくさに直結していきました。
ブログを書くときというのは、僕の場合ですが、
- 下書きを書く
- ブラウザで調べる
- 文章を整える
- 記事を完成させていく
と、画面をあちこち行き来します。
このとき大事なのは、「どこに何があるか」を直感的に把握できることです。前のパートで触れた、視野のズレの部分ですね。このズレがあることで何が起きるかというと、確認という作業が多くなりました。
「あれ、どこだっけ?」「今どっち側にあったっけ?」と、意識の中で位置を確認する。実際に顔を向けて意図した画面を見て確認する。内容を確認する。といった具合です。感覚としては、フルスクリーンで表示しているウインドウを、いちいち切り替えて見ているような感じですかね。
実際のモニターでなんとなくでも見えていれば、意識の中での確認や実際に顔を向けて確認するという工程はなくなります。
このような積み重ねによって、作業のリズムが崩れ、文章を書いている途中で思考が止まったり、集中が途切れる場面が増えたように感じました。
視野の違いが、想像していた以上に、作業の快適さに直結してくるんですね。
目が疲れやすい
もうひとつ、作業用途で気になったのが、目の疲れやすさです。
短時間であればそこまで気になりませんが、ブログを書くような使い方をしていると、だんだんと目に負荷がかかってくる感覚がありました。
通常のモニターよりも、目の前に常に画面がある感じが強くて、目が休まるタイミングが少ない印象です。また目により近い位置にモニターがあるため、目への刺激が強いなとも感じます。
眼鏡使いには対策が必要
僕は普段はコンタクトを使用していますが、夜には眼鏡に切り替えています。朝活の時間帯も眼鏡ですね。
いくら目の前にモニターが広がるとはいえ、見やすさというのは視力に依存します。なので裸眼の状態でARグラスをかけると全く見えません。

ちゃんと視力が弱い方への対策として、インサートレンズといってあとづけできるレンズを取り付けることができます。眼鏡を間に挟む感じですかね。
取り付け自体はおそらくそんなに大変ではないとは思いますが、どうしても手間は掛かってしまいますよね。プラスで費用もかかってきますし。
こうした理由から、ARグラスは毎日の作業環境として使い続けるのは、自分には少しハードルが高いかなと感じました。
それでもARグラスはやっぱりすごい

ネガティブな面ばかりお伝えしてきましたが、ARグラスならではのポジティブな面ももちろんあります。
体験としてちゃんと新しい
ここまでARグラスの不満点も多く書いてきましたが、眼鏡をかけたら自分の目の前だけにディスプレイが広がっているという体験は、やっぱり素直にすごいです。実際に使ってみると、正直テンションは上りました。
ガジェット好きとして情報に触れる機会が多いので、ある程度は想像できていたつもりですが、それでも実物を体験すると、想像は超えていました。
試しに妻や子供にかけてもらったところ、「なにこれ、すごい」とかなり素直な反応が。こういう反応をみると、やっぱりこの体験は新しいよなと感じました。

未来っぽさを、ちゃんと実感できるガジェットだなと思います。
エンタメ用途の相性は抜群
作業用途では合わなかったARグラスですが、映画や動画を見る用途に関しては、まちがいなく最高のデバイスですね。
何より良かったのは、映像に入り込める没入感がすごいところ。
目の前に大きな画面が浮かんでいるような感覚で、いつもの動画でも、少し特別に感じることができました。まるで映画館で観ているよう。

そんな体験が味わえるのに、姿勢を気にすることなく、なんなら寝転がりながらでも観られてしまう。こんな贅沢なことってないですよね。
ARグラスは間違いなく、エンタメを楽しむという体験の質を、しっかりと引き上げてくれるデバイスだと感じました。
作業用途でもモバイルでこそ真価を発揮する
作業用途ではいまいちしっくりと来ませんでしたが、それはあくまでも、すでに整っている環境と比べてしまったから、というのが大きいです。これが外での作業のお供に使うとなれば、話は大きく変わってきます。
カフェや旅行先のホテル、移動中の新幹線や電車の中など。画面を置くスペースが限られてしまったり、小さな画面で作業をしなければいけないときほど、ARグラスの強さが際立ちます。物理モニターは持ち運べませんし、ノートPCやタブレットもせいぜい16インチ前後が限界です。
どうしても画面が小さく、作業がしにくいと感じる場面は、自宅環境と比べると増えてきます。(もともと自宅でもノートPCやタブレットがメインの方は、そうではないと思いますが)
モニターを持ち運ぶことはできないけど、ARグラスであれば持ち運びにも苦にならず、使用するときのスペースも気にする必要がありません。視野のクセはありますが、それでもノートPCやタブレット単体で作業するよりも、圧倒的に広い画面になるため、作業はしやすくなるなと感じました。

結局今は買わなくてもいいと思った話

実際にARグラスを使用してみて改めて感じたのは、使用用途といいますか、強みを活かせる場面というのは結構はっきりとしているなということ。
画質や快適性などのクオリティーを求めている人には、まだ早いかなと感じましたが、スマホやiPad miniなどの小型デバイスをメインに作業している人にとっては、弱点を補える心強い相棒になれるのだと思います。
もちろんエンタメメインで使用してもいいのですが、価格は決して安くはないですからね。絶対に使ったほうがいいですよとはなかなか言いづらいところです。
僕の場合で言うと、もしこれからモニターを新たに導入する状況だったら、選択肢のひとつとしてARグラスを検討してもよかったかもしれません。ただ、置き換えという意味では、やはり物理モニターのほうが安心感があります。出先での作業の割合が多ければ、また優先度は変わってくるかなとは思いますが…外でARグラスを使う勇気は必要です。
この記事が、ARグラスが気になっている方の参考になれば幸いです。
今回使用したARグラス
レンタルしたサービス



