どうも、がちゃお(@gachao32)です。
2025年3月に発売されたOM SYSTEM「OM-3」。フィルムカメラを思わせるレトロなデザインが印象的な、マイクロフォーサーズセンサー搭載のミラーレス一眼です。
OM SYSTEMといえば旧OLYMPUS時代からの人気シリーズ「PEN」を思い浮かべる人も多いと思います。正直、最初にOM-3のお話をいただいたときは「どことなくPENに似てるし、エントリー機的な位置づけのカメラなのかな?」と勝手に思い込んでいました。
ところが改めてOM-3のスペックを確認してみると…中身はほぼフラッグシップ機じゃないですか。無知って本当に恐ろしいですね。
OM SYSTEM様から約1ヶ月ほどOM-3をお借りする機会をいただきましたので、ほぼ毎日使用してきた中で感じた”見た目以上の実力”を、この記事でたっぷり紹介していきます。
OM SYSTEM OM-3の特徴

- フィルムライクでクラシカルなレトロデザイン
- 軽量・コンパクトボディ
- フラッグシップと同等のセンサーと画像処理エンジン
- 迷いのない高速なAF性能
- 強力なボディ内5軸手ぶれ補正
- 直感的操作が可能なダイヤル・ボタンを搭載
- 撮って出しでもこだわりのある写真が撮れる4つのカラーモード
- 最新のデジタル技術を駆使したコンピュテーショナルフォトグラフィ
- IP53の高い防塵・防水性能
OM-3の特徴はなんといってもデザイン。クラシカルでフィルムライクな雰囲気を残しつつ、コンパクトでスッキリとしたデザインは、他のOMシリーズとは明らかに差別化が図られています。
そんな可愛らしい見た目でありながら、中身がすごい。上位機種でありフラッグシップ機である「OM-1 Mark Ⅱ」と同じセンサーと画像処理エンジンが搭載されています。
OMシリーズのスペック比較
ハードの面で差がついているなと感じるポイント(手ぶれ補正やファインダー性能、カードスロットなど)はありますが、メインとなるセンサーや画像処理エンジンはフラッグシップ機と同等。

カラー/モノクロプロファイルコントロールのようなソフトの面は、(OMシリーズでは)OM-3のみに対応しており、フラッグシップ機を上回る性能を搭載しています。

コンパクトながら性能面にもこだわったカメラです。
OM SYSTEM OM-3のレビュー

実際にOM-3を使って感じた、「これは…」と思ったポイントです。
強力な手ぶれ補正とAF性能で初心者でも安心
適当にと言ってはなんですが、スナップ的にサッと構えてサクッと撮っても、いい写真が撮れてるんですよね。これもひとえに手ぶれ補正やAF性能が高いおかげかなと。
夜のスナップを撮ってみたのですが、手ブレが起きていたり、ピントが思ったところに合っていない、というような失敗が少ないこと。(17mm F1.8 Ⅱを使用していたので、若干夜撮影に有利ということもあるかと思いますが…)





特にAF性能は本当に優秀で、手持ちのフルサイズ機SONY α7Ⅳと比べてみても、認識の速さや追従性など、遜色なく使用できました。AFといえばSONYと思っていましたが、侮るなかれですね。恐れ入りました。

AI被写体認識AFも多くの被写体を認識可能なので、シャッターチャンスを逃すことなく撮影ができそうです。
手ぶれ補正はというと、こちらもすごくて、三脚なしでも下の写真のように水の流れを表現したような一枚が撮れてしまいます。こちらは手持ち+シャッタースピード5秒で撮影をしています。

よほどのことがない限り、手ブレを気にする必要はないんじゃないかなと思います。
ピントもサクッと合ってくれて、手ブレもない写真が撮れる。まさに初心者にも優しいカメラです。
フラッグシップ譲りの写りはさすが
約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーと、画像処理エンジン TruePic Xが映し出す写真はとても高画質です。

AF性能でもお伝えしましたけど、フルサイズ機と遜色ないんですよね。全く違和感を感じることなく撮影することができました。
強いて言うのであれば、若干ボケ感に物足りなさは感じます。今回使用していたレンズにもよると思いますが、フルサイズとマイクロフォーサーズとの差ですかね。
ISOを上げたときのノイズ感もそこまで気になりませんし(常用ISO 25600)、明暗差のある場面でのダイナミックレンジの広さも感じます。


RAWデータもいじってみましたが、暗部のデータもしっかりと残っていてなかなか強いなという印象。ハイライト部分はレンズにもよるかと思いますが、色収差がでやすいですね。暗めに撮っておいてあとから持ち上げてあげるほうがいいかなと感じました。




写りの部分で気になるのは、ややコントラスト強めのこってりとした画になりやすいかなと。風景なんかにはバチッとハマりますね。個人的には淡めの画が好きなので気になりましたが、むしろ”それがいい”という人もいると思いますので、あくまでも参考程度に。

クリエイティブダイヤルで多彩な表現が簡単に切り替えできる
OM-3には大きく4つのカラーモードが搭載されています。
- カラーモード
- カラー / モノクロ プロファイルコントロール
- カラークリエーター
- アートフィルター
各メーカーも同様に様々なカラーモードを搭載していると思いますが、前面に配置されている物理ダイヤルでモードを変更できるのがOM-3の特徴です。

アートフィルターで簡単に印象の違う写真を撮ることもできますし、カラープロファイルやモノクロプロファイルでPCで現像するようにこだわった1枚を撮ることも。
基本的には自然な色味の写真が好きなのでカラーモードを使うことは少ないのですが、使ってみると楽しいもんですね。お気に入りはアートフィルターのヴィンテージ。一気に雰囲気のあるエモい写真が撮れるちゃいますよ。

色々撮ってみたのでよければ参考に。







コンピュテーショナルフォトグラフィがすごすぎる
コンピュテーショナルフォトグラフィって何者だ?と思いますよね。いわゆる合成写真なんですけど、従来はPCで処理をしていたものを、カメラ内で実現させた合成技術なんですね。

- ハイレゾショット
- ライブND
- ライブGND
- 深度合成
- HDR
- 多重露出
合成により高画素化させるハイレゾショットや、擬似的にNDフィルターを装着して撮影したかのようなスローシャッター効果を実現させることができるライブNDなど、どれも驚きの機能です。

ライブNDと強力な手ぶれ補正があれば、三脚なしでも動きのある写真が撮れてしまうのがすごいんですよね。NDフィルターを用意する必要もありません。(下の写真はライブNDを使用、手持ちシャッタースピード4秒で撮影しています)

IP53対応の防塵・防滴設計でアクティブに使える
カメラのような精密機器に水はNGだというのは昔の話なのかもしれません。
OM-3にはIP53に対応した、フラッグシップ機と同等の防塵・防滴設計となっています。IP53とは日常生活における小さな水のトラブル(小雨や水しぶきなど)から守ってくれる設計なのですが、公式サイトでは完全に水をぶっかけられてますね。

あえて水をかける必要は全くありませんが、不意の雨などでも安心して使用することができそうです。

キットレンズの12‐45mm F4.0 PROがすごい
今回はOM-3と合わせて、キットレンズの「12‐45mm F4.0 PRO」と単焦点レンズの「17mm F1.8 Ⅱ」の2本のレンズもお借りしました。

さすがマイクロフォーサーズシステムだなと思ったのですが、F4.0とは言え「12-45mm(フルサイズ換算で24‐90mm)」がこのサイズ感になるのには驚きました。SONY α7ⅣにつけているSIGMA 28‐70mm F2.8とくらべるとこれだけ違います。

驚いたのはサイズ感だけではなく、写りも申し分ないこと。F4.0ということでボケ感は今ひとつですが、望遠効果でしっかりとぼかすことは可能です。ぼかす必要のないブログの物撮りにはピッタリだなと感じました。


こちらの記事は全てOM-3で撮影しています。

それでいてこのレンズ、めちゃくちゃ寄れるんですよ。ズーム全域で最大撮影倍率0.5倍(フルサイズ換算)となっており、広角端で12cm、望遠端で23cmまで寄って撮影することができます。

もう1つのレンズ「17mm F1.8 Ⅱ」はこれまたコンパクトで、つけっぱなしにしておくのに最適。フルサイズ換算は34mmなので、標準域レンズとして室内撮りやスナップで撮りやすい画角になっています。

F1.8と明るいレンズなのでボケ感もしっかりと表現することができます。

個人的には「17mm F1.8 Ⅱ」の方がコントラストなんかも控えめで、落ち着いた感じの写真に仕上がるので好きですね。

OM SYSTEMには他にも魅力的なレンズたちがラインナップしているので、色々試してみたいですね。
OM SYSTEM OM-3の気になるところ

デザインや性能に驚かされてきましたが、実際に使っていて気になる点もあったのでシェアしていきます。
コンパクトがゆえにグリップが物足りない
コンパクトなデザインとトレードオフになるところなので致し方ないとは思いますが、グリップがほとんどないのでホールド感は弱いです。

背面の親指を置くサムレストがあるのでまだいいのですが、どうしても指先で固定しておかないといけないので、長時間使用していると指先が痛いなと感じることがありました。

SONY α7Ⅳのほうが重量はあるのですが、グリップがしっかりしているおかげで、余計な力を入れることなくカメラを持っていることができるんですよね。

そのあたりのグリップ感を求めるのであれば、「OM-1」や「OM-5」のほうがいいのかもしれません。
シャッター音がさみしい
なかなかブログでは伝わらないかもしれませんが、「パシャ」というシャッター音がさみしい感じで物足りないんですよ。

写真って「いい画が撮れればそれでいいか?」と言われると違うと思っていて、1枚1枚シャッターを切っていくその体験も大事だなと思うんです。これもデザインと同じで好みの問題ではあるのですが、「カシャ」と言わせたいな思うわけです。
性能面はいいだけに個人的には残念だなと感じました。
OM SYSTEM OM-3はどんな人におすすめか

- クラシカルでレトロなデザインのカメラが欲しい人
- コンパクトにしたいけど性能面も妥協したくない人
- 撮って出しで雰囲気のある写真が撮りたい人
- カメラ初心者
まずはこのデザインに惹かれた人は買って良しだと思います。マグネシウム合金の金属的な質感といい、ダイヤルやファインダー部分といい、フィルムカメラを彷彿とさせるこのデザインはとても魅力的です。
マイクロフォーサーズらしいコンパクト設計なのも嬉しくて、特に初心者の方は選びやすいんじゃないかなと思います。デザインだけでなく性能面も文句ありませんし、カメラのことを詳しくなくても、簡単にきれいな写真が撮れてしまいますからね。
自分好みのテイストにあとから仕上げるというのも写真の醍醐味かなと思いますが、PCやスマホに取り込むという作業が加わるのでなかなか好きな人じゃないとできないところでもあります。OM-3であれば豊富なカラーモードのおかげで、撮って出しでもある程度追い込むことができます。
総じてカメラ初心者でも安心のカメラじゃないかなと思います。
まとめ|OM-3は可愛い顔したとんでもないカメラだった

今回はOM SYSTEMのOM-3をレビューしました。
初めてのマイクロフォーサーズということで、「フルサイズとはやっぱり差があるのでは?」と思っていた自分が恥ずかしいです。
画質の良さはもちろん、手ぶれ補正やAF性能の良さにもとても驚かされました。最近のカメラらしく、撮って出しの状態での仕上がりにもこだわることができ、手軽にいい感じの写真を撮ることができる。初心者の方にはもちろんおすすめですが、こだわって撮っていきたい玄人の方も使って楽しいカメラなんじゃないかなと思います。
デザインだけじゃない、魅力がたくさん詰まったカメラです。




